『 相続 』と成年後見

成年後見人を選任されるようなケースの場合、

ご本人さん(被後見人)のその後の状況については、その方それぞれです。

人である限りは亡くなる瞬間というのは、必ずやってきます。

 

法定後見制度を利用されておられる場合、

ご本人さん(被後見人)が亡くなられる=後見人としての立場は自動的に消滅する

という事になります。法律上は、後見人はご本人さんの代理人ですから、

亡くなった人の代理人であり続けることはできないからです。

 

 

ここで、ご家族やご親族が後見人をされておられるような場合は、

ご本人さんが亡くなられた後、大きく対応が滞ってしまうことは少ないかと思います。

なぜならば、ご家族やご親族は、同時に相続人であるケースが多く、

相続の際での争いや紛争等が起こらない限りは、ほとんどの場合はスムーズに行く事が多いからです。

 

そのため、身寄りがない方の後見人の業務については、

ご本人さんがお亡くなりになった後については、本当に大変な部分があります。

後見人としての立場や権限が消滅しますので、『 事務管理 』といったような事しかできないからです。

 

 

 

『事務管理』というのは民法上(民法697条〜702条)の文言になります。

法律上の義務がない者が、好意的に他人のためにその事務の管理を始める事 という解説になりますが、

キーポイントは、法律上義務のない者が の部分でしょう。

上記の身寄りの居られない方の後見人さんのケースの場合、

生前は親権者に相等しいような代理人であったにもかかわらず、お亡くなりになった後については、

法律上義務のない者が、好意的に関わりをさせて頂いている。という立場に一転してしまうのです。

 

ここの部分は、

ご本人さんのご葬儀はどうするべきなのか、

相続財産の引渡はどうするべきなのか、それまでの管理については、

有償なのか無償なのか、

相続人の内の一人が行方不明の場合はどうしたらよいのか・・・

対応をしないといけない問題が、様々に起こってきます。

 

ここの部分は、家庭裁判所のほうに、逐一事後処理としてご相談させて頂くように、

個人的にはさせてきていただいていますが、2〜3か月で無事引継等が終わるケースが多いように感じます。

 

 

また、ご家族・ご親族の中に相続人がおられるか、相続人自体を見つけていかないといけないケースどちらにしても、相続財産をどうされていかれるのか、という作業は必要になってきます。

 

                               (*亡くなられた方 = 被相続人 といいます)

被相続人さんの不動産 ⇒ 相続登記  

                その前提として、相続人が複数の場合は、誰の名義にどんな割合でされるのか、                 遺産分割協議をされる必要が出てくるケースもあります。

 

被相続人さんの現金  ⇒ 銀行等への届け出

                ほとんどの銀行は、遺産分割協議によって財産を取得される方のみではなく、

                相続人さん全員の実印(印鑑証明書付き)を要求してきます。

                ここの部分は、実印がそろわないと銀行口座にロックがかかったまま、

                動かせないので、思いのほかのトラブルが出てくる部分です。

 

被相続人さんの保険や有価証券等 ⇒ 保険会社や信託銀行等へ

                ご本人が亡くなられた事実のお伝えや、資料の送付等で、

                ご対応して下さるケースがほとんどです。

 

                保険金については、契約種別や契約当事者によって大きく対応がかわります。

                保険の契約者と受取人が誰になっておられるかによって、

                相続財産に入るのかどうかも大きく変わってきいきます。

 

被相続人さんの思いとされては、お亡くなりになった後に、相続人である自分自身の子孫等々が、

相続する財産でもめている状況は一番見たくない状況なのかもしれません。

また、ご本人さんが生前おられる間は、『 親という重石 』 という言葉の通りで、治まっておられるのですが、

ご本人さんがご逝去された後は、親という重石がなくなってしまい、いろいろな方が物を言い始める

このような状況をお見かけさせて頂くケースは少なくありません。

 

その物言いが、紛争に発展していってしまうような場合は、

弁護士という職業の先生が登場しなければならないシーンとなります。

 

まさかここまで状況が悪くなってしまう・・・とは、当のご本人さんは露程も思わなかったかもしれません。

そんなことも理由の一つでしょうか、最近は事前に 生前贈与をしていかれる方、遺言書を作成される方、

が一時代前よりは、随分と増えている印象があります。

 

 

どちらにしましても、ご本にさん、ご相続人さん、ご家族さん、ご親族さんが

よりスムーズに、より仲良く、より納得いかれるような形になっていかれる事が一番の目的かと感じます。

 

『 備えあれば憂いなし。』 という言葉がありますが、

相続という人生のシーンにおいては、大いに当てはまる言葉なのかもしれませんね。

有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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