親族後見人としての役割

 

 

最近、ご家族・ご親族で、後見人(保佐人、補助人)をされる事を望

まれるご相談が増えている印象があります。

 

一方で、家庭裁判所(神戸家裁)は、家族や親族を後見人(保佐人、補助人)に選任されることについては、どちらかといえば、消極的になってきている印象があります。

 

 

これは、家庭裁判所の内部の事情や実務現場の理由が大きく作用しているように思います。

 

成年後見制度が運用初期の頃(平成14年頃でしょうか)、家庭裁判所の受付や窓口で長々と制度の説明を受けたり質問をされたり、はたまた、実際に後見人等に就任されたご家族・ご親族が、家裁の窓口の方と、丁々発止をされておられるシーンを時々お見かけしたような思い出があります。


ここ最近は、随分と静まって(?)前述のようなやりとりをあまり見かけなくなったようにも、個人的に感じます。

 

 

成年後見制度の利用の仕方等については、家庭裁判所の受付にお願いすると、制度説明のDVD等を無償で見させていただくこともできたかと思います。

 

また、インターネットや書籍等の情報もとても充実してきているようで、随分とわかりよい、僕らのような専門職も参考にさせて頂いているような有用な情報が沢山あるようです。

 

 

 

家庭裁判所のほうが、ご家族・ご親族を後見人(保佐人、補助人)として選任することには、多少消極的になってきてしまっているとお伝えしました。

 

しかしながら、本音の部分は、きちんと制度を理解されて、ご本人さんの権利を守って、法令を順守されていかれるのであれば、後見人(保佐人、補助人)の業務をもっとして頂いたらいい。という所にあるのかもしれません。

 

 

新聞報道やニュースにおいては、後見人(保佐人、補助人)による財産の取り込みや本人の権利侵害が発生してしまっているような(刑事)事件が起こっているのも事実です。

 

時には、弁護士や司法書士、社会福祉士といった専門職そのものがそのような行為をしてしまっているような事案もありますので、家庭裁判所のほうも、随分と頭を悩ませて、心を痛めているのかもしれません。

 

 

 

後見人(保佐人、補助人)業務の難しいところは、

『 ご本人さんの権利 』 という、わかったようでわからない抽象的な言葉と向き合う所かと思います。

そもそも、権利や義務や、法的にどうこうであるとか、裁判所としてはどうこうであるとか、

普通の方が生活を送られるうえでは、あまり常々意識をされるようなことは少ないかと思います。

 

 

裁判所や法務局、税務署といったような所と、関わる機会の多い方は、

このような事を意識される機会は多いかもしれませんが、あくまでも専門的な感覚と思われます。

専門的ということは、その知識が高度になればなるほど、伝わる相手がどんどんと減ってしまう。

という事になっていきます。

 

例えて言いますと、その分野の専門の博士論文等は、その分野の専門の先端の方々しか理解することは

できない世界です。同じ日本語(あるいは英語)で書かれていても、その内容が伝わる相手はとても少ないという事です。

 

 

 

 

成年後見制度(法定後見)は、法律の枠組みから成り立っている制度です。

法の文言というものは、ある意味外国語として理解されてしまったほうがわかりよいかと思います。

権利、義務、意思能力、法律行為、後見制度、監督責任、財産管理、療養看護 ・・・

次から次へと日本語が出てきますが、日本語として理解をされようとすると、途端にとても難しく感じてしまいます。

 

 

なぜなら、ご自身の持っている言葉のイメージ と 法の枠組みの中での意味合い が

大きくかい離してしまっている、違ったものになっているからです。

 

ですので、ご自身の印象(特に、権利や義務という言葉、財産や管理、監督というような言葉)で

使い古してしまっているような言葉や文言ほど、法の枠組みでは違った意味合いになる。

という事をしっかりと意識をされておかれれば、余計な手間が減っていくかもしれません。

 

 

また、今まで使ったり理解しようとしたことのない、新しい概念の話ですから、一朝一夕に会得するというのもしんどいところが、面倒くさい所かもしれません。

 

ご親族やご家族での後見人(保佐人、補助人)業務に挑戦されることにつきましては、個人的にはいろいろな意味合いから、大賛成です。

 

 

後は、上で書かせて頂いたような内容も参考にされて、一つ一つ会得されていかれればよいかもしれません。

 

皆様のご健闘を祈ります。

 

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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